橋の下のエロ本

ちょっとエッチな少年だった。

スカートめくりもやっていた。

親父の買って隠してある、男性向け雑誌もよく見ていた。

友達とは、スケベな話で盛り上がり、裸の女の人を撮るカメラマンにも憧れた時期があった。

 

田舎に住んでいた私は、よくトラックが止まる場所に行っていた。

ドライバーが見て捨てて行った、エロ本を探しに行く為である。

草むら、自動販売機周辺、24時間コイン休日施設、道路のちょっと広くなった休憩スペース、などなど、あちこち捜索した。

友達と他愛もない話をしながら、あちこち捜索した。それはドキドキ、ワクワクする宝探しみたいなものだった。

見つけた時の感動、今でも忘れない。

雨風にさらされボロボロのエロ本。

もっと早く見つけてあげれば…

状態がいいエロ本、もちろん保存用。

その前にしっかりと目を通す。

マンガもよく落ちていた。作者によって絵のタッチが違い、好みが分かれる。

お宝を見つけた我々は、次の行動に移る。

宝を持って保管場所に移動するのだ。

保管場所は、橋の下。橋桁付近は、雨風が当たらず、絶好の保管場所だ。

自転車のカゴに厳選した宝物を入れ、保管場所に急ぐ。ひとまずお宝を保管場所に安置。

また読者。一日の労をねぎらう。

次の日学校に行って、クラスのエッチな仲間達に報告。 放課後、連れ立って保管場所に向かう。秘密保持の契約もバッチリ。

ひと時の自分達だけの秘密基地みたいだ。

今思えば、周囲の大人達からも、子供が連れ立って橋の下でなにかやってる、みたいなのは、見えていただろう。

だって橋の周りに、自転車が4.,5台止められていて、姿が見えないんだから…

周囲が暖かく見守ってくれてたんだと、今になって思う。

 

今の時代、今まさにこれを書いているスマホ、PCを使えば、簡単に女の人の裸を見ることが出来る。 便利で素晴らしい時代になった。

もう宝物探し回らなくてもいい。 保管場所を探さなくてもいい。

見たい時にいつでも見れるんだ。

 

しかし、あの見つけた時の感動は、もう味わえない。  かもしれない。

 

あの感動を欲している?のか、どうかわからないけと、たまにネットでエッチな画像を探している自分がいる。